単位の世界にも「国際標準」があり、それは「SI単位」と呼ばれています。
こちらの記事では、SI単位について詳しく解説していきます。
SI とは
SIとは、下記2つの事情によりフランス語の国際単位系「Système International d'unités」に由来します。
- メートル法がフランスの発案であったこと
- メートル条約・国際度量衡委員会 (CIPM)・国際度量衡局 (BIPM) の公用語がフランス語
また、「SI」は国際単位系の略称であるため「SI単位系」というのは重複表現です。
ですが、「SI」では分かりづらい場合があるため用いられることもあります。
SI 単位系とは
国際単位系(SI)は、世界中で広く使用されている単位系です。
メートル法の後継として、国際的に定められました。
SI 基本単位
SI単位系は、7つの「SI基本単位」が定められています。
SI 基本単位
- メートル
- キログラム
- 秒
- アンペア
- ケルビン
- モル
- カンデラ
メートル metre
- 記号:m
- 物理量:長さ
国際1メートル原器の長さと、光の速度を比べた結果を基準にしています。
キログラム kilogram
- 記号:kg
- 物理量:質量
質量の単位を決めるのは「プランク定数」です。
プランク定数は、その光子のもつエネルギーを計算するための最小単位です。
秒 second
- 記号:s
- 物理量:時間
かつては1日の長さの1/86400や1年の長さの1/31556925.9747と決められていました。
微妙に変動する理由で、1967年からセシウム原子時計が基準になりました。
アンペア ampere
- 記号:A
- 物理量:電流
2本の導線が及ぼし合う力を使って定義されます。
モル mole
- 記号:mol
- 物理量:物質量
炭素原子を1molという量集めると12gになります。
カンデラ candela
- 記号:cd
- 物理量:光度
光源からある方向に向かう光の強さを「光度」と言います。
1カンデラの定義は、ろうそく一本くらいの明るさです。
ケルビン kelvin
- 記号:K
- 物理量:温度
水によらず、熱による分子の運動が完全に無くなる温度を「絶対零度」としたのが「ケルビン温度」です。
「絶対温度」とも言われます。
SI 組立単位
SI基本単位を組み合わせたものとして、「組立単位」があります。
SI 組立単位
- 平方メートル
- メートル毎秒
- パスカル
- ボルト
- ワット
- ヘルツ
- ラジアン
- ジュール
- オーム
- テスラ
平方メートル square metre
- 記号:m2
- 物理量:長さ×長さ
メートル毎秒 meter per second
- 記号:m/s
- 物理量:速度
1秒につき1mの速さ
パスカル pascal
- 記号:Pa
- 物理量:圧力・応力
1Pa=1ニュートン/㎡
ボルト volt
- 記号:V
- 物理量:電圧,電位差,起電力
1Aの電流が流れる2点間において消費される電力が1Wの場合、その2点間の電圧
ワット watt
- 記号:W
- 物理量:仕事率,工率,電力
1秒間に1ジュールの仕事をする割合(工率)
ヘルツ hertz
- 記号:Hz
- 物理量:周波数,振動数
1秒間にn回振動する場合,nヘルツという
ラジアン radian
- 記号:rad
- 物理量:角度
円の半径に等しい弧に対する、中心角の大きさ
ジュール joule
- 記号:J
- 物理量:エネルギー,仕事,熱量
1Nの力が、力の方向に物体を1m動かす時の仕事
オーム ohm
- 記号:Ω
- 物理量:電気抵抗
1Aの電流が流れる導体の2点間の電圧が1ボルトの場合、その2点間の電気抵抗
テスラ tesla
- 記号:T
- 物理量:磁束密度
磁束の方向に垂直な面1㎡当たり、1ウェーバの磁束密度
SI 併用単位
SI単位ではなく、国際度量衡委員会 (CIPM) により、「SI単位との併用」が認められている単位を指します。
SI 併用単位
- シーシー
- リットル
- トン
- 日
- 分
- 時間
- ノット
- デジベル
シーシー cc
- 記号:cc
- 物理量:「cubic centimetre(立法センチメートル)」の頭文字
1cc=1cm3(辺の長さが1cmの立方体の体積)
リットル litre
- 記号:L
- 物理量:1dm(=10cm)×1dm×1dmと定義
1L=1dm3
トン ton
- 記号:t
- 物理量:質量
1t=1000kg
日 day
- 記号:d
- 物理量:時間
1日=86400秒
分 minute
- 記号:min
- 物理量:時間
1分=60秒
時間 hour
- 記号:h,hr
- 物理量:時間
1時間=60分=3600秒
- 記号:kt
- 物理量:速度
ノット knot
1時間につき1海里(1852m)進む速さ
デシベル decibel
- 記号:dB
- 物理量:音
接頭語付のSI併用単位
基準信号の大きさに対する、比の対数を使用して表す
SI 接頭語
「SI接頭語」とは、単一記号で表記するSI単位や、いくつかのSI併用単位の前につけられる接頭語です。
SI単位の倍量・分量単位を作成するために用いられます。
メートル、秒、ワットなど基準となる1つの単位だけを定義し、10の累乗倍の数を示す接頭語を付けます。
すると、大きな量や小さな量を表すことができます。
まとめ
今回は「SI単位」について解説しました。
小さい頃から算数や理科で学んでいた「記号」は、「SI単位の記号」の一つであることが理解できたと思います。
一つひとつの「SI単位」には歴史もあり、改めて調べることで新たな発見につながるかもしれません。
興味のある方は、他の単位についてもぜひ調べてみてください。