日射計とは
2025.04.08
日射の熱や強度を測定するための機器、日射計についてご存知でしょうか。日射センサーとも呼ばれるこの装置について、原理や種類、利用方法などを詳しく説明いたします。
日射計とは
日射計は、一定の面積・一定の時間にどれだけの太陽エネルギーが放射されたかを測定するための装置です。太陽光が当たることで熱が発生し、その熱をセンサーが測定し、電気信号に変換することで太陽エネルギーの量を表示します。
一般的に、太陽の熱量を測定するためには、サーモパイルと呼ばれる熱電素子が使用されます。このセンサーは、物体から放射される赤外線を捉えます。日射計を正確に測定するためには、設置場所が水平である必要があります。そのため、測定時には水準器や水平調整装置が役立ちますが、日射センサーに内蔵されている製品もあります。
測定する日射量の種類
太陽の日射量は、大きく分けて3つの種類に分類されます。それは、直達日射量、散乱日射量、全天日射量です。それぞれの特徴を見ていきましょう
直達日射量
直達日射量は、観測地点に太陽から直接降り注ぐ日射量のことです。
散乱日射量
散乱日射量は、雲の粒子や大気中の分子によって散乱された光の量です。
全天日射量
全天日射量は、同じ時点の直達日射量と散乱日射量を合計した値になります。
日射計による日射量の測定
日射計では、直達日射量または全天日射量のいずれかを測定することができます。
1つの計器で測定できるため、同じ地点での計測が可能です。直達日射量を測る際には円筒型、全天日射量を測る際にはドーム型を使用しますが、散乱日射量は円盤を用いて測定します。太陽追尾装置を備えた全天日射計を使用し、直射日光を遮るために円盤を利用します。
直達日射量の測定
直達日射量の測定はどのように行われるのでしょうか。直達日射量を測定するための日射計は「直達計」と呼ばれ、太陽追尾装置を備えており、常に太陽の位置を追い続ける仕組みです。この装置は、太陽から直接入射する光のみを測定するために、筒型の形状をしているのが特徴です。
全天日射量の測定
全天日射量を測定する日射計は「全天日射計」と呼ばれ、ドーム型の形状をしているのが特徴です。
水平に設置することで、センサーに届く日光の総量を総合的に計測することができます。
散乱日射量の測定
散乱日射量を直接測定することができる日射計は存在しません。散乱日射量を知りたい場合は、全天日射計と直達計を同時に使用して差し引く方法も考えられますが、実は全天日射計のみで測定が可能です。
1つの計器で測れるので、同じ地点で計測できます。直達日射量を測るには円筒、全天日射量を測るにはドーム型と言いましたが、散乱日射量は円盤で測ります。太陽追尾装置を備えた全天日射計を用意し、直射日光をキャッチしないように円盤で遮ります。
日射計の活用
日射計は日常生活においてあまり意識されないかもしれませんが、太陽光のエネルギー量を測定することが重要な場面が多く存在します。
太陽光発電システムでの活用
たとえば、身近なところでは太陽光パネルの設置です。同じメーカーで同じ型番の太陽光パネルを設置しても、その場所の日射量により発電量に差が出ます。設置する前にどのくらいの日射量があるか確認できれば、発電量のシミュレーションができることや、設置するかどうかを検討する判断材料になります。
農業での活用
さらに、日射計が活用される代表的な分野として農業があります。
日射量は植物の光合成や蒸発散に影響を与え、作物ごとに最適な日当たりの量が異なります。特定の野菜や果物は、一定以上の日光を浴びることで色づきや実の成長が促進されることがあります。
一方で、日光が過剰になると葉の変色や成長過剰、実割れが生じるケースもあるため、畑の日射量を測定することは非常に重要です。日射計を用いて日射量を測定し、必要に応じて覆いをかけたり、植える農作物の種類を検討するなどの判断材料になります。
まとめ
日射計は太陽の日射量を測定できる計器です。日射量には直達日射量、散乱日射量、全天日射量の3種類があります。