SPring-8とは
SPring-8は、国立研究開発法人 理化学研究所が運営する兵庫県の大型放射光施設で、世界最高性能の放射光を生成します。国内外の産学官の研究者に開かれた共同利用型の研究拠点として、ナノテクノロジー、バイオ、材料科学など多岐にわたる分野で活用されています。
SPring-8の名称は「Super Photon ring - 8 GeV(80億電子ボルト)」に由来し、加速された高エネルギー電子ビームから発生する放射光を用いた実験が可能です。
SPring-8の主な利用分野と研究例
SPring-8は、様々な研究に使用されています。
物質科学:
原子・電子構造の解析、新材料の創製、極限環境下での物性評価など
生命科学・医学:
タンパク質の立体構造解析、医薬品開発、生体試料の高解像度イメージング
環境科学:
触媒の構造解析、環境汚染物質の微量分析
地球・宇宙科学:
地球深部物質や隕石の構造解析
産業利用:材料評価、製品開発支援、構造解析による品質向上

参考URL
SPring-8 大型放射光施設 http://www.spring8.or.jp/ja/
SPring-8 での引張ステージの活用事例
Spring-8での引張試験の事例
- 高分子材料の引張試験中の分子挙動の解析
- 金属材料の引張試験中の破壊プロセスの分子レベル観察
- 電子材料の応力負荷に対して信頼性評価手法の確立
三弘の引張ステージ 「 ISLシリーズ 」の紹介
三弘の引張ステージ「ISLシリーズ」は、SPring-8の他、SEM、ラマン分光、デジタルマイクロスコープなどと組み合わせて使用可能です。試料に引張荷重を加えながら、リアルタイムで顕微観察や分子レベルの解析が行えるため、材料研究において非常に有用です。

SPring-8でのISL引張ステージの活用事例
ポリロタキサン研究への応用
ポリロタキサンは、分子が機械的に絡み合った構造を持つ高分子材料で、自己修復性や高い柔軟性を備えています。ウェアラブルデバイスやフレキシブルディスプレイなどへの応用が期待されています。

SPring-8とISL引張ステージを用いた研究では、グラス状ポリロタキサンの引張変形中に形成されるナノボイドクラスターの発生と、塑性変形との関係が解析されました。このような多角的な観察により、ポリロタキサンの変形メカニズムの理解が深まり、材料設計に貢献しています。
参考URL
加藤和明 国立大学法人 東京大学 : Strain-Induced Orientation of Host Rings that Determines the Sliding of Guest Polymers and Plasticity of Glassy Polyrotaxane 2024.8
https://pubs.rsc.org/en/content/articlelanding/2024/mh/d4mh00616j
引張ステージ ISLシリーズの紹介
引張ステージISLシリーズは、SPring-8をはじめとする多くの研究現場で活用されています。
試験内容や試料形状に応じた特注対応も可能です。お気軽にお問い合わせください。

引張ステージ ISLシリーズの紹介の詳しい情報は、別のサイトをご覧ください。
引張ステージの活用事例集
